シン・ゴジラは、現実を突き付けるフィクション。※ネタバレ有
9月に入りまして、やっとシン・ゴジラを観ることができました。
そこはかとないネタバレに屈しないためにもシン・ゴジラを早く観たい
— あおい (@_ao0oi_) August 19, 2016
それから土木展も行きたいし宇宙と芸術展も行きたい
↑ここから1ヶ月も経っていた模様・・・。
「街の破壊シーンは3.11を連想するので注意」などと聞いていたので、ひとりではなんだか行きづらくって。弟を誘って行きました。
以下、ネタバレ含みますm(_ _)m
エヴァの庵野監督が撮るゴジラ
私には「エヴァの」庵野秀明 監督という印象が強く、シン・ゴジラの劇中で「DECISIVE BATTLE」をオマージュしたティンパニーの音が流れるたびに嬉しくてドキドキしました。ギターアレンジもかっこよかった。
ちなみにゴジラ対エヴァンゲリオン特設サイトもあります。
映画の内容も、「使徒 対 ネルフ」のような「ゴジラ 対 政府」という構図に。海底から突如現れた巨大不明生物(ゴジラ)。その目的も意思もよく分からないまま、とにかく東京への侵攻を防ぐべく政府や自衛隊が立ち向かうお話。
陸に上がったばかりのゴジラは気持ち悪かった・・・。映画ポスターの第4形態のみを知っていただけに、それこそ目標が報告と違う!
劇中では自衛隊による攻撃シーン(戦車が狙いを定めるところは多分ヤシマ作戦のオマージュ!)もありますが、ほとんどは政府の人間の話し合いの描写です。何をするにも上の承認が必要という面倒でつまらないやりとりを、しかし飽きさせることのないテンポで見せつけてくれます。エヴァの「パターン青、使徒です!」的な雰囲気。
映画「シン・ゴジラ」観てきました
— あおい (@_ao0oi_) September 16, 2016
寝不足つづきだし、遅い時間だし、眠くなったらどうしよう...などと思ってた自分がバカでしたん
↑観た直後のわたし。ストーリについていくために119分間、一生懸命でした。
フルCG、人の造りしもの
特撮オタとして知られる庵野監督ですが、シン・ゴジラはフルCGで制作されています(メイキング映像が公式サイト内にあります)。
私も平成ライダーなど「かっこいいなぁー」程度に好きなので、どこかで模型や着ぐるみを期待してしまい、ゴジラを見て「あ、CGなんだった」とすこし残念に思ったり。
だけど、電車のクオリティには感動しました!ヤシオリ作戦で様々な路線の電車が一斉にゴジラに突っ込んでいくシーン、鳥肌立った・・・。
それから高層ビルを次々と爆破してゴジラを足止めするシーンも、人の造りしものを、人の命を守るために、人が自ら壊す・・・みたいな皮肉さを感じたり。
私「あのシーン気持ちよかったね」
弟「あそこまでやるとゴジラがちょっと可哀想」
思うことは人それぞれです。そしてゴジラも人の造りしものなわけですが。その辺も、もろ「エヴァぽい!」です。
私は好きにした、君らも好きにしろ
国や世界を巻き込む壮大なストーリーが、原因はたったひとりの人間だった!なんてこと、よくあります。今回もゴジラを生み出した(あるいはゴジラになった)牧元教授という人物の行動がきっかけですから。もちろん、きっかけとなった原子力や、国の未来への危惧があってのことですが。
「米軍の攻撃も効かないなら核ミサイルしか・・・」もしくは「限られた時間と人員の中で、知識と技術とコネを総動員してゴジラを凍結させてみる」という究極の選択。それこそが牧元教授の「シナリオ通り」という・・・。「好きにしろ」と言いながら、試しています。
つづきは現実で
結局、「巨大不明生物の活動凍結を目的とする血液凝固剤経口投与を主軸とした作戦要項」あらため「ヤシオリ作戦」を成功させましたが、だれもが歓喜の声を上げるでもなく「やったか・・・」と、疲れと安堵が混じった表情をしていたのがリアルかつ印象的でした。
ゴジラは一旦凍結しただけで、いつ活動再開するか分からない。活動が認められたら約1時間後(正確な時間忘れちゃいました)に問答無用で安保理が核ミサイルを打つ、という約束をしているわけですから、ハッピーエンドなんかじゃありません。
また、ラストの凍結したゴジラの尻尾に「人のような何か」が複数認められたシーン。新しく生み出されているものなのか、元々ゴジラを構成しているもの(牧元教授とか)なのかは不明です。
ストーリー半ばで「ゴジラは分裂して各個体が進化する可能性がある。そうしたら世界が滅びる」的なことを言っていましたが、活動再開したら尻尾のアレがうにょうにょ出てきて東京を襲撃するのでしょうか。・・・それってもう、エヴァQ同時上映の「巨神兵東京に現る」じゃないですか!絶望しかない。
とはいえ、今後の続編発表はないかなと個人的には思います。
牧元教授のメッセージはもう明らかになりましたし、ゴジラを含めてフィクションではありますが、メッセージは現実の私たちが背負っている課題そのもの。映画で答えを出すなんてそもそも無理なのでは。
発声可能上映なんてのも!
アイドルのライブじゃないのにサイリウムOKとか意味不明でしたが、動画を見るとすんごく面白そう!何回目かに行きたいやつですね。
( ゚∀゚)o彡゜
尾頭ヒロミ(市川実日子)。
確かにかわいいっ!断トツで好きなキャラです。
「この動き。基本は蛇行ですが、補助として歩行も混じっていますね。エラらしき形状から水棲生物と仮定しても、肺魚の様な足の存在が推測出来ます」
セリフすごかった。かっこよかった。
さいごに
個人的には斬新!衝撃!感動!という印象はほぼありませんでした(3.11の地元を見ているからでしょうか)。放射能や、国の非常時に求められる政府の姿という、ある意味身近なテーマを突きつけられた、という印象です。だからこそ、3.11の後でこれほど露骨に問題を描いていることがすごいのかなと。・・・ゴジラが上陸して船や街をぐちゃぐちゃにするシーンはやっぱり辛かったな。
しかし、ゴジラって何もしてないんですよね。ただ海から陸に上がり、一定の距離に攻撃を受けたら反射行為として熱線を放出する、それだけ。ゴジラに意思はなく、あるとすれば牧元教授の思惑。
そんなワケの分からない事態にも「仕事ですから」と、淡々と作戦を進める統合幕僚長には凄みを感じました。そういった人間模様もせきららでしたね。面白かったです。観てよかった。
小ネタ
思いついたら作らずにはいられなかった...。新小岩に所縁のある「シン・ゴジラ」ファンの方へ。どうぞ。 pic.twitter.com/KOFy6Qm7NP
— あおい (@_ao0oi_) September 14, 2016
この記事のTOP画像もやっつけで作りました。夜景は自分で撮ったものです。映像を思い出して寒色系の色味とノイズを加え、明朝体とゴジラのシルエットを配置しました。
以上です!
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